男性不妊について

About male infertility

当院では、男性不妊治療にも対応が可能です。
男性不妊について詳しくご説明しています。

男性不妊

“男性の方もお気軽にご相談ください”

特に避妊しているわけでもないのに1年以上子供ができない場合は「男性不妊」の可能性があります。

男性不妊とは

原因

厚生労働省子ども・子育て支援推進調査研究事業 我が国における男性不妊に対する 検査・治療に関する調査研究によると、精索静脈瘤や特発性が大半を占める造精機能障害が82.4%、勃起障害や射精障害による性機能障害が13.5%、精路閉塞や鼠径ヘルニア術後などの閉塞性精路障害が3.9%、その他0.2%が原因だと報告があります。

厚生労働省子ども・子育て支援推進調査研究事業 我が国における男性不妊に対する検査・治療に関する調査研究を改変

また、最近では他の原因が否定された男性において、Y染色体に変化が見られる場合があることがわかってきました。

治療方法

・禁欲しすぎないなど、生活習慣を改善する
・精子の質の改善のためにサプリメントなどをとる
・顕微授精などより高度な生殖補助医療を視野に入れる
・精索静脈瘤の手術や精巣内精子採取術(TESE)を行う
※男性不妊治療専門の泌尿器科生殖医療専門医と連携することで可能

治療の流れ

精液検査
専用の計算版を使用し、WHO基準と照らし合わせながら、精子の量、形、運動性、数などを評価します。

精液検査
専用の計算版を使用し、WHO基準と照らし合わせながら、精子の量、形、運動性、数などを評価します。

  • 所見が軽微

  • 生活習慣の改善やサプリメントの処方をご提案させていただくことがあります。

  • 体外受精のプランニング

    女性側にも不妊要因があると考えられる場合には、体外受精のプランニングが視野に入ってきます。また、顕微授精などの高度な生殖医療を施行することによって、受精や受精卵の発育に問題がない場合もあります。

  • 染色体検査の提案

    成績が伴わない場合にはY染色体の検査が考慮されます。原因が特定できないときは泌尿器科医にご紹介いたします。

  • TESE検体の移送

    回収できた精子は凍結保存され当院に移送します。奥様の採卵当日に、凍結されている精子を融解し受精操作を行います。

  • 所見が重度

  • 全精液中に精子が何匹いるかを検査します。運動精子が少数見られる場合、凍結保存をご提案させていただくことがあります。

  • 精液中に見られなかった場合

    造精機能障害や閉塞性精路障害が疑われるため、泌尿器科医にご紹介いたします。

  • TESE検体の移送

    回収できた精子は凍結保存され当院に移送します。奥様の採卵当日に、凍結されている精子を融解し受精操作を行います。

精子の質とDNA

以下の方に検査をおすすめします。

  • 精液検査の結果が
    良くなかった
  • 不妊治療しているが
    なかなか妊娠に至らない
  • 過去に精巣静脈瘤・
    そのほか手術歴がある

精子クロマチン構造検査では、精子のDNAの状態を知ることができます。
※精子クロマチン構造検査はDFI検査と呼ばれることがあります

精子の頭にはDNAが詰まっている

精子は受精によってDNAを受け渡し、遺伝情報を子孫に引き継ぎます。DNAは長いひも状の物質で、切断されてしまうと、正しい遺伝情報が保てず精子としての役割を果たせなくなってしまいます。

精子DNAと不妊の関係性

人によって、DNAが傷ついている精子の割合は異なります。

精子運動率や濃度が良好であっても、DNAは傷ついたり、切断されていることがあり、そのような精子の割合が多いと自然妊娠や人工授精による妊娠の可能性が低くなることや、流産率が高くなることが報告されています。
精子のDNAの質は不妊治療の結果に影響しているかもしれません。 また、DNAが傷ついている精子の割合が多い場合は、体外受精や顕微授精が推奨されます。

精子のDNAが傷つく原因

精子のDNAが傷つく原因は様々ですが、風邪などによる高熱、疾病、生活習慣などが挙げられます。
また、DNAは酸化ストレスを受けると傷つくといわれており、抗酸化サプリメントの摂取でDNA損傷が軽減されるとの報告もあります。

検査結果は、不妊治療を体外受精や顕微授精へステップアップするなど
今後の治療方針を立てる際の検討材料となります。

検査の詳細については、ご担当の医師、胚培養士にお尋ねください

精子クロマチン構造検査(SCSA)

精子の質を判定します。

精子クロマチン構造検査では、見た目ではわからない精子のクロマチン(DNAとたんぱく質の複合体)の損傷状態を調べることで精子の質を判定できます。
薬の服用や放射線治療、大気汚染、化学物質への暴露、発熱、肥満、加齢によってクロマチンが損傷してる精子が増えることが知られています。
※クロマチンが損傷している精子の割合をDFIといいます。DFI検査と本検査は同じ検査です。検査法は世界保健機関発行のlaboratory manual for the examination and processing of human semen (sixth edition)に則した方法を採用しております。

検査方法について

  • 精子は、クロマチンが正常、未熟、損傷の違いで異なる色に染め分けることができます。
  • 精子の数を領域別にカウントします。
  • 全体の精子数に対する各領域の精子の割合を結果として報告します。

クロマチンが正常な精子が多い結果例

青枠内にある点の割合が多いほど、クロマチンが正常な精子の割合が高いことを示しています。

クロマチンが損傷している精子が多い結果例

赤枠内にある点の割合が多いほど、クロマチンが損傷している精子が多いことを示しています。

検査結果のご活用について

●人工授精、体外受精の選択理由として

クロマチン損傷精子の割合が多い場合は、自然妊娠や人工授精による妊娠の可能性が低いことが報告されています。体外受精など治療法の検討材料に利用いただけます。

●不妊原因を知りたい

不妊の原因の一つに、精子のクロマチン損傷が挙げられています。生活習慣の改善により損傷の程度が改善される可能性があります。

●2ヶ月以内に高熱がでている、または生殖器の感染症既往歴がある

高熱や感染症の影響で精子クロマチンが通常よりも損傷している可能性があります。治療の経過を知る判断材料に利用いただけます。

精索静脈瘤せいさくじょうみゃくりゅうの治療を検討している

精索静脈瘤の治療によってクロマチン損傷精子の割合が減る事があります。治療の効果を確認できます。

●疾患がある、または服薬など疾患の治療中

疾患や、薬などの治療法が精子のクロマチンに影響を与えているか確認できます。

料金について

精液検査+精子クロマチン構造検査(DFI):15,000円(税込)

抗酸化力検査(追加検査)

精液の酸化ストレスと抗酸化力

男性不妊の一因といわれる酸化ストレスの影響を考えるには、
抗酸化力の測定が有効です。

酸化ストレスと抗酸化力

酸化ストレスは、細胞を傷つけることから老化、がん、シワ、しみ、生活習慣病の原因のひとつといわれています。

酸化ストレスが増える原因には年齢、ストレス、タバコ、激しい運動、過度の飲酒などがあります。酸化ストレスを増やす因子は身の回りにたくさん存在しているため、対抗する力をつけ細胞を守ることが重要です。
酸化ストレスから細胞を守る力を抗酸化力といい、その作用を持つ物質を抗酸化物質といいます。

男性不妊と抗酸化力

酸化ストレスは、精子の運動性の低下やDNA損傷を招くことから、男性不妊の原因のひとつといわれています。

酸化ストレスをゼロにすることは困難なため、酸化ストレスの悪影響を抑えるために、抗酸化力が必要とされます。
体内の抗酸化力は、ビタミンA・C・E、ポリフェノールなどの抗酸化物質を日常的に摂取をするよう心がけることで、高めることが可能です。
不妊男性や、精索静脈瘤患者では精液の抗酸化力が低いことが報告されています。抗酸化力検査をうけることで、男性不妊の一因を明らかにする一助となる可能性があります。

抗酸化力検査(Total Antioxidant Capacity, TAC検査)

精液は、「精子」と精子の周囲を囲んでいる「精漿(せいしょう)」と呼ばれる液体に分けられます。検査では精漿に含まれる、ビタミンA・C・E、亜鉛など様々な抗酸化物質の濃度を総合的に測定し、抗酸化力を評価します。
・単一の化合物の抗酸化力だけでなく、サンプル中のすべての抗酸化物質を測定するため、総合的な抗酸化力の評価が可能です。
・精子の濃度に関わらず検査可能なため、治療期間を通じてより安定した結果が得られる可能性があります。
精漿の抗酸化力の値は、血液中の値と相関していることから健康のバロメーターとしてご利用いただくことも可能です。結果は抗酸化力が1950μM以上の場合は良好(A判定)、未満の場合は不良(C判定)と表示されます。

抗酸化力と精子DNAの質

不妊と関連があるとされている精子のDNA損傷と、抗酸化力には関係性があるといわれています。

抗酸化サプリメント摂取など、精漿中の抗酸化力を高めると、DNAが損傷している精子が減り、精子の質が改善されることが報告されています。(精子のDNAの損傷については、精子クロマチン構造検査で調べることができます。)
DNAが損傷している精子が多い患者様の抗酸化力を測定すると、DNA損傷の少ない患者様よりも抗酸化力が低いデータが得られています。(右表)

料金について

精液検査+精子クロマチン製造検査(DFI)+抗酸化力検査(TAC):30,000円(税込)

抗酸化力検査は精子の体内環境を考える
きっかけになり
これから作り出される
精子への影響に配慮した生活習慣や
サプリメントの摂取など
不妊治療の結果の
向上にお役立ていただけます。

その他の治療方法

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